お葬式も変わりました
訪問看護にまつわる…
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2021.11.28
いつも行く関西弁の元気なおばちゃんの美容室・・・
今日の会話の内容は、介護からはじまり看護へ。そしてお葬式のお話へと発展していきました。
私もここ最近は結婚式よりお葬式に呼ばれることも多く、Aさんも旦那さんを見送ったばかりでお葬式の話はとても身に染みるものでした。
お葬式も在宅へ?
会話の中でAさんが感じるところによると、”今,お葬式の流れは在宅へ変わってきている”
この言葉に「流行りは繰り返されるなー」と感じました。
看護・介護はいち早く自宅への訪問が行われていましたが、お葬式も在宅へ移行しているとは…!
私が子どものころは、まだ自宅でのお葬式が一般的だったことを思い出しました。
私の田舎では、40年前までお葬式の際は自宅にお坊さんを呼び、お経をあげてもらい出棺、火葬場へ。
そして自宅へ戻り個人を故人を惜しみながら親戚の方々と会食が一般的でした。
子どものころはごちそうが食べられるので不謹慎にもワクワクしていた思い出があります。
そして時が経ち、自宅でのお葬式は見聞きすることはありませんし、思い出があるのはお祖母さんがなくなった時に自宅葬儀だったぐらいでしょうか。もう、35年前になります。
そして、その後の2020年ごろまではセレモニーセンターがあちらこちらに建設されてきました。
みなさんの街にも複数のセレモニーセンターがここ20年で建設されていないでしょうか?
私自身も葬儀に呼ばれる際は下記のように案内状が来ます。
式場:〇〇セレモニーセンター
まず、その方のご自宅での葬儀はありません。
2020年代になるとお葬式への意識は変わり、セレモニーセンターから自宅葬に変化しつつあるのを肌で感じます。
もしかしたら、これからはお葬式に出席すること自体も少なくなってくるのではないでしょうか?
自宅葬からセレモニーセンターへ、そして自宅葬へ戻りつつある今。どんな事情があるのでしょうか?
セレモニーセンターが増えたわけ
最初の変化はお葬式が自宅からお寺で行われるようになったことです。
おそらく住宅事情や核家族化もありお葬式はお寺へとシフトしていったのでしょう。
40年前ごろの私の田舎ではご近所づきあいも多く、お葬式の際は近所の方総出でお葬式を挙げていました。
そんな田舎の文化も、会社勤めの方が増え休みが合わなかったり、住宅の作りも変化して自宅でのお葬式を挙げづらくなっていったのでしょう。
お葬式はお寺さんで、その後の会食は喪主の自宅で・・・そのようなスタイルに変化しました。
そしてここ20年ほどはセレモニーホールやセンターが数多く開業し、お亡くなりになった最期の時から火葬まですべての面倒を見てくれるようになりました。
働き方や住宅事情に加えて、近所付き合いの希薄化、お葬式を出すことへの負担感などがセレモニーセンターが増えた理由として考えられます。
また、超高齢化に伴い多死社会へと変化している中、ビジネスチャンスとして異業種からの葬祭業への参入もあり広告効果により、一般市民のお葬式スタイルはセレモニーセンターへと変化していったのではないでしょうか。
父親も平成の最後に亡くしているのですが、セレモニーセンターにお願いして親戚や知り合いなど集まった100名程度のお葬式を挙げることができました。
なぜまた自宅葬への流れに戻りつつあるのか
私はAさんのお話を聞くまではいまもセレモニーセンター、一択のお葬式しか思いもよりませんでした。
実は個人のお宅でのお葬式が年代を逆戻りして増えているそうです。
理由は色々あるとのことですが、誰にも面倒を掛けたくないし、簡単に済ませたいという高齢者の思いがあるようです。
私がよく聞く高齢者のお葬式への思いは・・・
- 主人もなくなり、独り身の今は誰も呼ぶ人がいない
- 周りもみんな高齢者であり、外出も困難になってきて呼んでも来ない
- もう何十年も連絡を取っていない
- 昔は地域で暮らしていたけど、今は施設暮らし
- 社会とのつながりもなく、そっとあの世に行きたい
- 子どもたちも遠方に住んでおり、生活もある…迷惑をかけられない
- 年金暮らしでありお葬式を出す余裕がない
- 多くの高齢者も年金に頼っていると思うし、その中で香典・旅費とお金をかけてしまい申し訳ない
- 残された家族に迷惑をかけたくない
親戚付き合いも希薄になり、子どももいない、そして年金生活でそんな大きなお葬式を挙げることができない。そっとあの世に旅立ちたい…
そんなニーズが確実に増えている様子がうかがわれます。
Aさんの葬儀スタイルはこれから増えていくかも
事実Aさんもご自宅で旦那様のお葬式を行い、お骨は共同墓地へ埋葬したとのこと。
ご自宅では、お坊さん一人とAさんの二人でそっと行い、お骨は檀家も関係なくお金を払い永大供養をしてもらえる墓地に埋葬したとのことでした。
A様の旦那様は会社の社長だったにも関わらず、最期はひっそりとお葬式を挙げられたそうです。
また衝撃的だったのが、当初はお仏壇を用意し四十九日までは仏壇で手を合わせていたそうなのですが、お仏壇から「魂抜き」をしていただき、処分してしまったとのことです。
「私もひとりやから、死んだら誰が面倒みるんかい?」
「自分の心の中に主人がいればいいんちゃう?」
確かにその通りだと思いました。
亡くなった事実はとてもさみしいのですが、心の中に思い出として忘れずにしまっておく。
自分のことは自分で後始末し、周りの人に迷惑をかけない。
そんな風潮が最近は広がってきているような気がします。
40年前は自宅でのお葬式が近所総出の一大イベントだったのに対し、
現代の自宅葬では亡くなったことも分からずひっそりと行われるお葬式が増えているようです。
そういえば、芸能人のお葬式も以前は盛大な葬儀で、有名芸能人の弔問姿が生中継されていましたが、もう見かけませんね。
「家族・関係者で葬儀は執り行われました」
お亡くなりになったのも1週間ほど経ってから芸能ニュースで短く取り扱われる程度です。
お葬式のスタイルは変わりました。